歯のひび割れ・・・意外と多い抜歯の原因 ①
歯が痛いのに、「特に問題ない。」と診断を受けることがあります。
本当に問題ないこともありますが、考えられる原因がいくつかあり、
そのひとつが、「歯のひび割れ」、です。
マイクロクラック、ともいいます。
これは見た目にはほとんどわからないことが多く、
また、レントゲン写真にもほぼ反映されないものなので、
原因不明とされてしまうことも少なくありません。
しかし、マイクロスコープを使用して診査をしたり、
実際に治療を始めてみると、この「歯のひび割れ」は、それなりに多いことがわかります。
以下、いくつかの実例をご紹介します。
①52歳 男性 主訴:奥歯が痛くてかめない
右下の一番奥の歯に痛みがあるとのことで、レントゲン写真を撮りました。
歯の根の先の周辺に、黒いもやのような影がうつり、
根の先に膿が溜まっている状態、いわゆる根尖病巣があることがわかります。
しかし、神経に達するほどのむし歯はないように見えます。
実際に歯を見てみると、
歯肉が腫れ、少し押すだけで膿が溢れてきます。
歯には古くなった樹脂の詰め物が入っています。
古い樹脂を取り除くと、その下にむし歯が広がっていました。
むし歯を取りきったところ、神経まで届くようなむし歯ではありませんでした。
しかし、はっきりと「歯のひび割れ」が確認できました。
さらに、このひび割れを追求していくと、
歯の神経を超えて歯根の方まで達していることがわかります。
振り返って考えてみると、
古い樹脂の詰め物の下にむし歯ができていたが、神経まで達する深さではなかった。
しかし、明らかな「歯のひび割れ」が、神経に達し、損傷させたことで、
神経が死んでしまい、根の先に膿が溜まって腫れた。
ということになります。
いわゆる「歯根破折」という状態なので、
基本的には抜歯と診断されることが多く、抜歯原因も第3位とされています。
しかし、この症例の場合はまず根管治療を行い、なるべく歯を残すことを試すことになります。
世田谷区・千歳船橋でマイクロスコープによる根管治療をご希望の方は、
ぜひ千歳船橋歯科にお越しください。