なるべく歯を抜かない工夫
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可能な限り抜歯の選択をしない
全ての治療について抜歯の可能性がないわけではありません。ですが当院では可能な限り抜歯の選択をしないよう、様々な治療方法を検討してまいります。どのような病にもあてはまりますが、治療する病院や医師によって治療方法は異なります。他の歯科医院にて抜歯を進められたケースであっても、当院であれば抜歯をせずに治療することができるかもしれません。当院の治療でどのようにして抜歯を避けて治療していくのか、ご説明をさせて頂きます。
抜歯を選択せざるを得ない理由とは
抜歯を選択せざるを得ない状態は以下の2点になります。こちらについての治療にしっかりとこだわりを持ってアプローチすることにより、抜歯の可能性を極力減らすことができます。
① 歯周病の進行
歯周病は悪化すると歯を支える骨を溶かしてしまいます。そのためぐらついた状態となり歯を維持するのが難しくなります。自覚症状のないまま重症化するため、抜歯となる原因で一番多いのが、この歯周病になります。
② 根尖病巣や歯根破折等の根の病気
歯の根の部分に損傷がある場合には抜歯を進められることがほとんどです。根の部分に膿が溜まってしまっていたり、すでに割れてしまっていたりすると、根管治療が難しくなるため、抜歯の選択がされることも少なくありません。
① 当院の抜歯回避のための歯周病への4つのアプローチ
歯周再生療法
歯周病が進行すると歯周病原因菌は骨をも溶かします。溶けた骨に支えられていた歯はグラグラになり、抜くことになりますが、歯周組織再生療法の1つであるエムドゲインを使用した治療を行うことで、失われた骨の再生を促し新たな骨を作りだし、もう一度歯をしっかり支える状態にすることができます。
歯周外科(歯肉剥離掻爬術)
歯周病が進行し歯周ポケット奥深くに歯周病原因菌が入り込み、歯石を形成した場合は、歯周ポケット奥深くまで器具が届かないため、歯ぐきを切開して歯石を除去します。これが歯周外科処置の1つである歯肉剥離掻爬術です。麻酔をして行いますので術中の痛みはありません。
マイクロスコープを使用した歯石除去
抜歯の可能性が高い歯周病の治療を行っていくことが、何よりも抜歯を回避する方法になります。当院では歯周ポケットの深い位置に溜まった歯石の除去を歯科用のマイクロスコープを使って丁寧に行います。視野を拡大して歯石の除去を行うことにより、取り残すことなくしっかりと除去することができ、歯周病の予防や改善につながります。このマイクロスコープにより重症化した歯周病でも外科的処置を行うことなく治療を行っていける可能性が広がりました。
レーザーによる歯周病原菌殺菌
レーザーには強い殺菌効果があります。歯と歯茎の間である歯周ポケットの歯石を除去したあとに、最後の仕上げとしてレーザーを当てることで目に見えない歯周病菌を殺菌します。これによって、歯周病菌が大幅に減り歯周病の改善につなげます。レーザーは痛みを伴わないことも利点です。
② 当院の抜歯回避のための根の病気への4つのアプローチ
マイクロスコープ根管治療
根管治療では狭く入り組んだ根管内をキレイに洗浄する必要があります。マイクロスコープの有無により、その治療の精度は大きく変わってきます。しっかりと洗浄することにより、虫歯再発のリスクを軽減することができます。
MTAによる神経を抜かない保存治療
殺菌効果が期待できるMTAという歯科用のセメントを使用し、根管内を封鎖していきます。このセメントは神経付近の保護にも使用することができ、神経を残しておくことにより今後の治療で抜歯を選択する可能性を減らすことができます。
歯根端切除術に対応
根の部分に膿が溜まる症状では、根管治療を行ってその後の経過を見ていきますが、改善されない場合では歯根端節叙述という方法を行い、直接膿を除去していきます。膿に侵された歯根部分も取り除くことから歯根端切除術と呼ばれています。
CTによる根尖病巣の早期発見
レントゲンで確認できる範囲は限られており、歯の裏側に隠れている病巣を確認するにはCT撮影も必要となります。特に二またに分かれている根の部分の間に膿が溜まっている場合、レントゲンでは発見でいないことが多くあります。CTによる3次元画像であれば、このような部分でもしっかりと確認できます。
千歳船橋歯科が実施した根管治療によって抜歯を回避した症例
抜歯するしかないと診断された歯を、マイクロスコープ・CTを用いた精密根管治療によって保存した症例をご紹介します。
▼初診時
①5年近く根管治療をしているが治らず、抜歯するしかない、と言われた歯の治療です。激痛はないものの、常にうずうずしている感じがするとのこと。
右上の一番奥の歯の、手前側の根の周辺に黒い影が見られ、膿が溜まっていることがわかります。
▼治療開始
④手前の根のみを除去したところです。根の先端周辺に歯石がついていました。根の中も外も感染が広がっていたようです。
歯科用CTでの比較
CTスキャンでの比較を見てみると、問題のあった根の周辺は、骨が溶けて大量の膿がたまってましたが、その根を除去した後は、骨が再生していることがわかります。結果的に、問題のある根は根管治療でも保存が難しかったですが、部分的に除去することで、完全な抜歯を避けることができました。世田谷区・千歳船橋でマイクロスコープによる根管治療をご希望の方は、ぜひ千歳船橋歯科にお越しください。
この治療の期間 | 4ヶ月 |
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この治療の回数 | 9回 |
この治療の費用 | マイクロスコープ根管治療 大臼歯1本 88,000円(税込) ファイバーコア 大臼歯1本 22,000円(税込) |
この治療のリスク | 部分的に根を除去した部分に、食べ物がつまりやすくなることがある。 残存している根管に再発の可能性はある。 |
③ その他の抜歯回避治療
エクストルージョン・外科的提出
虫歯などの影響により残っている歯の部分がほぼ無くなってしまい、根のみとなってしまった際には、被せものをしっかりと接合することが難しいこともあるため、抜歯の選択をされることも少なくありません。ですが当院ではエクストルージョンという治療により、根を引き上げて被せものを接合することも可能です。このエクストルージョン治療には高い技術が求められるため、当院では経験豊富な歯科医師が担当し対応致します。
千歳船橋にて可能な限り抜歯をしない保存侵襲治療をご検討の方へ
当院千歳船橋歯科では可能な限り抜歯を避け、歯の保存を考慮した治療を行っています。どのような状態であっても抜歯しないというわけではありませんが、様々な治療方法を模索し、抜歯とならないよう、検討してまいります。また痛みを軽減した低侵襲治療にも力を入れていますので、世田谷区千歳船橋にて抜歯の可能性が低い、痛みの少ない歯科医院をお探しの方は、ぜひ当院までお気軽にご相談頂ければと思います。